タヌキの調理法として、「たぬき汁」がよく知られているが、ここでもタヌキとアナグマとの混同が問題となる。
タヌキの肉は非常に獣臭いため、そのままではとても食べられたものではない。臭みを消すためには、肉を稲ワラで包んで1週間ほど土中に埋め、さらに掘り出した肉を2時間ほど流水にさらす必要がある。古い文献でも、酒で煮たりショウガやニンニクを多用するなど臭みを抜く調理法が見られる。たぬき汁は臭みを消すため、味噌味にすることが多い。
一方、アナグマの肉はたいへん美味であり、ヨーロッパや中国でも、古くから食べられているという。『大草家料理書』という文献でも、「(狸汁は)むじな汁の事」となっている。栃木県のある猟師が、キジ猟で偶然タヌキを獲ったので、老人にたぬき汁の作り方を聞いて作ってみたところ非常にまずく、翌日老人に文句を言ったところ、「これは『ムジナ』でねえか。たぬき汁は『タヌキ』の肉で作らんと、食えるわけねえべ」と言われた、という話もある。
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つまり、アナグマとタヌキがしばしば混同されることを踏まえると、いわゆる「たぬき汁」は、特に美味なものとして伝えられる場合は、実はアナグマ汁である可能性が高いと考えられる。(参考: 『同じ穴のムジナ』 柴田哲孝)
なお、江戸期において「たぬき汁」はタヌキの肉ではなく、コンニャクを入れた汁のことをいった。